反面調査での取引金額確認方法
- 公開日:2014/10/03
- 最終更新日:2015/03/26
反面調査の目的の回でも説明させていただきましたが、関係書類の保管が無い場合は取引相手へ確認をします。基本的には調査官が反面調査先を訪問し、確認する形になりますが、場合によって別の方法で確認をすることがあります。では、調査官はどのように確認をするのでしょうか。調査の方法をご紹介します。
文書照会による確認
売上金額を確認するために反面調査を行いますと説明をさせていただきましたが、場合によって、訪問している時間が無い場合などは文書による「取引金額の照会」を行います。これは、税務署長名で郵送されてくることがあります。
ひとつの調査案件で30件、40件と照会をお願いするケースもありますが、回答を待っている時間が長くなってしまいます。同時に複数の調査案件を持っているので、意外に効率よく金額確認ができる方法でもあります。売上先が決まっているところは、売上金額の確認はこれらの照会結果で確認できることになります。
少々、困難なのは売上先が不特定多数の場合です。一般的な小売業や飲食店などは売上金額を毎日、記録しておかないと分からなくなります。そんなときは、調査官はどうするのでしょうか。
売上金額の記録がない場合
売上金額について、はっきりとした正確な記録が無い、または記録があっても正確ではない、などの場合に正確に把握確認ができる項目が何かということを考えます。
- 仕入先は特定できる。
- お酒の本数は確認ができる。
- おしぼりの数量が確認できる。
というような、確実な数量等を把握します。その際に、有効なのが文書による照会なのです。最近では、各種卸売業者の方々はパソコン画面での確認や各種の集計もできるところが多くなっています。調査対象の売上金額がはっきりしない場合、これらの仕入れなどの数量や金額に基づいて売上金額を逆算することになります。
- 仕入れしたものに利益をどのように乗せるのか。
- 加工するものなどは、例えば小麦粉をどれだけ買ったら何人分の製品ができるのか。
- 残っている売上伝票や現在の状況などから勘案して一人当たりの売上平均額を計算してみる。
「おしぼり」などで、お客様の人数から一人当たりの売上兵金額を掛けて、売上金額の総額を計算してみる。など、まずそのお店の基準となる数量、金額から調査の展開を図ることができます。
このように文書での照会は、効率的な調査の一環として利用をされています。
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