税務署はココを見ている!?
- 公開日:2016/06/29
- 最終更新日:2016/07/06
商売をやっていると心配になるのが「税務調査」ですね。
「税務署の連中は何を見にくるんだ!」
税務調査の連絡が入りますと、
多くの社長や代表者はこのようなことを言われます。
過去に税務調査の経験があっても、
なかなか慣れるものではありませんよね。
では、税務署の調査官はどこを見ているのか、ちょっとだけ教えます。
1 売上高または関連科目の増減は必須項目
税務署では、
景気のいい業種などを「調査の対象」とすることがあります。
「景気のいい業種なのに売上が増えていないとは何事だ!」となるわけですが、関連している勘定科目にも注目をします。
例えば「仕入高」。売上が伸びているから仕入も当然増える。
逆に仕入が増えているのに、売上が増えていないと「何事だ!」となります。仕入れのほかには「人件費」や「外注費」です。
自分だけではできないから人を雇う、または第三者にやってもらうとなっているのに売上が増えていないと、これも「何事だ!」となるわけです。
2 私的な消費とも関連付けできる科目
個人事業でも法人でも、個人的な使い方の重なるような科目、
例えば「交際費」「消耗品」などは注目されやすく、事業に関係がないと判断された場合には、費用としてはNGとなります。
このNGについて税務署では「否認」と言いますが、職員の中にはこの「経費否認が得意」とする調査官も多くいます。
プライベートで消費するものと事業で消費するもの、はっきり分けましょう!
3 雑談好きは、切れ者調査官?
ベテラン調査官は、すぐに税務調査の話に移りません。
意外と世間話や業界の話など、あなたの周辺環境について話をすることがあります。
世間話が終ったと思っても、次にはあなたの家族の苦労話や結婚、大学進学、相続など人生のイベントなどの話も聞きます。苦労話に同情したり、めでたい話には自分のことのように喜んだりもします。
税務調査って、帳面をずっと睨んでいるものとイメージしていた方は、これで話が進むと「何だか、この調査官っていい人だなぁ・・・」なんて思ったりもするのですが、そこには調査官の話術によるワナがあります。
同情したり、喜んだりすることで緊張を緩め、話をしやすい雰囲気を作ります。そして、それぞれのイベントなどにいくらお金がかかったとか、将来のためにお金を貯めなければならないという心理状態と必要額などを推測するのです。
推測した金額と申告した所得金額(会社の場合には、役員報酬の金額など)に辻褄が合えばいいのですが、合わないと「脱税しているのでは?」とスイッチが入ります。
ベテラン調査官は、このようにまず「脱税」などの行為が必要かどうか、その事業主の背景から探りを入れます。
特にお金が必要と言われる「子供が大学生で仕送りをしなければならない」なんて言っている親御さんの言葉は、要注意ですね。
過去には、売上除外していたお金がそのまま仕送り資金になっていたなんてこともありました。
また、親の介護でお金がいるとして脱税している方も見てきました。
帳簿を見る前にその家庭の状況を把握しておくことは、「切れ者調査官」がよくやることです。
もし、あなたのところに雑談が多い税務調査官が来たら、覚悟したほうがいいかも?
関連記事
税務調査の種類と調査対象者の選び方
会社の代表者や個人事業主の皆さんが恐れていることのひとつに「税務調査」があります。 実際に...
にせ税理士
みなさんは『にせ税理士』という言葉は聞いたことがありますでしょうか。税理士の偽者が世間にはい...
売上除外の方法と理由
かつては脱税の手口は「売上除外」、つまり売上金額を少なく申告することが多かったものです。今回...
裏帳簿・二重帳簿について
テレビドラマなどで聞く「裏帳簿」「二重帳簿」などは、実際にはよく作られているのでしょうか。今...