消費税の調査
- 公開日:2015/07/28
- 最終更新日:2015/07/28
税務調査は、法人税、所得税などメインとなる税目があり、付随して源泉所得税や消費税の調査を行うことがほとんどです。しかし、消費税だけでも税務調査は行われることがあります。
1 消費税の単独調査
通常、税務調査は法人税や所得税などメインとなる調査を行い、不正や是正が必要な項目を確認した場合に、修正申告などの手続きを行うわけですが、売上金額が増えたり、必要経費が少なくなった場合には、消費税にも影響が出ます。
そこで、法人税などの修正申告と一緒に消費税の修正申告手続きを行うことになります。これが、一般的な税務調査ですが、実務では、消費税だけで調査に来ることもあります。
国税庁ホームページでは、消費税の不正還付申告に対する取組みのひとつとして、『消費税は、預り金的性格であるため、国民の関心が極めて高いという認識のもと、特に、消費税の虚偽申告による不正還付金を得るケースがあるため、還付となった原因の事実関係について十分な審査を行い、還付原因の確認が必要な場合には、調査により接触して不正還付防止に努めています。』という内容のコメントがあります。
つまり、不当な還付申告と思われるものは調査しますよ、ということです。当然というべきでしょうが、もし、仮に還付が不正であれば税金を騙し取る行為とも言えます。このような不正が発生することのないよう、税務署の目はあらゆる角度から検討を行っています。
2 申告方式が原因となる調査
消費税申告の計算方法は、次の2種類があります。
- 一般課税方式
- 簡易課税方式
簡易課税方式は、課税売上5千万円未満の小規模事業者向けの特例です。この計算方式は、仕入税額控除の計算を売上金額に対して一定割合を乗じて行うものです。業種や取引内容によって、第1種から第5種までの区分に分けて、一定割合を求めます。
この取引区分の振り分けが間違えてしまうと、税額に影響が出ます。つまり有利な区分に変えて計算することもできてしまうのです。
第1種から第5種に振り分ける際、取引内容でその区分を判断するのですが、ひとつの事業を行っている場合は、すべてを同じ区分となりますが、複数の事業を行っている、臨時の取引を行った場合は区分の確認が必要となります。
少々、「簡易課税」などという名称から簡単に計算ができてしまうとイメージしがちですが、一部の取引の区分が変わるときなどは「複雑」になってしまう場合もあります。
このような、消費税独特の誤りが想定される場合も、消費税単独の税務調査を行う場合があります。消費税単独の調査といっても、油断してはいけません。帳簿書類の確認は、一般的な税務調査となんら変わりません。
消費税調査に端を発し、法人税など本体へ影響するような非違事項を見つけることも多くあります。税務調査官がやってくることに違いはありませんので、通常の税務調査同様、ご注意ください。
消費税は、身近な税目ですが複雑な内容になっています。ひとつの取り扱いの違いで大きな影響が出る場合もあります。通常の取引ではない、稀に行う取引ほど消費税の取り扱いには気をつけてください。
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