飲食店の情報収集について
- 公開日:2015/02/05
- 最終更新日:2015/03/27
調査官は、税務調査以外の時間でも情報収集をしています。いつ、どんなところで情報収集をしているのでしょうか。今回は、飲食店の情報収集について紹介します。
飲食店の情報収集
まず調査官は、調査でもないときでも常に情報収集をする癖があります。特に、全国にチェーン展開しているようなお店ではなく、個人経営や会社でも小規模なお店について、広くアンテナを張っているのが特徴です。自分たちが、調査を行う対象となりそうなお店を対象となります。
①外観について
お客様でも同じ目線で見ていると思いますが、やはり外観は重要です。「この店、ホントに流行ってるの?」などと言いつつ外観を見ています。
- 看板の有無や枚数
- 簡単なメニュー表示
- 行列の有無または、店外のイスの有無など
ぱっと見て、入りたくなるかどうかが重要なポイントです。外観によって、下記のような内容なども判断できる場合が多いです。
- サラリーマンが多い
- OLが多い
- 家族向け
最近では、少なくなりましたが昔は、自宅兼店舗というところが多く、洗濯物などで何人家族か、自転車などで子供の年齢や人数を想像します。家族構成などから、最終的に生活費(所得金額)などの推測をします。
②店舗内について
店舗に入ると、テーブルやカウンターの配置がどのようになっているか、ぐるっと見渡します。「4人掛けテーブル4、カウンター10席」などと覚えておきます。簡単なメモ帳を準備している職員もいましたが、最近では、携帯やスマホでメモしたり、出された食事の写真を撮るフリをして、店内の状況の写真を撮ったりしているかもしれません。最近では、店内で写真を撮る風景もあまり不自然ではありません。店内での情報は他にもいろいろと収集をします。
- レンタルおしぼりの有無、業者名
- 割り箸
- オーダーしたときの伝票(日付、通し番号などの記録)
- 定休日や営業時間
- 配達や出前の有無
- お客様の入店状況
- 店内スタッフの人数
などなど、調査においてポイントとなるあらゆる情報を収集します。また、店内にかかっているカレンダーやお手洗いなどに掛けてあるタオルなどから取引先や金融機関が分かる場合があります。店内には、いろいろな情報があったりするわけです。
さて、最後に食事を済ませた後、お会計をするワケですが、この時も大事なポイントがあります。伝票に基づいてレジ打ちをしているかどうかです。
- 「レジは打っている」
- 「レジは開けっ放し」
など、そのときの状況は必ず確認をします。
③インターネット上の情報
最近では、インターネット上でいろいろな情報が収集できます。特に飲食店では、何かと出てきますがお店側の情報発信のみならずお客様も情報を発信しています。税務調査においても、当然、そのような情報は収集しています。ブログを掲載しているところもあるようですが、調査官も見ていることをお忘れなく。
まとめ
このように、税務署では、調査官が直接、見てきた情報を蓄積しています。いざ税務調査となったときには最大限の活用をします。
昔は、情報収集もこそこそとやっていた感があったのですが、最近は、スマホなどの利用により周囲にまぎれて簡単に収集できるようになったかもしれません。昔も今も、税務職員は、日夜、情報収集をしているのです。
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