税務調査で聞かれるポイント①家族状況
- 公開日:2014/10/03
- 最終更新日:2015/03/26
所得税調査で、重要なのが家族状況の聴取です。この家族の状況を聞いたうえで、事業の概要を聞かないと大事なポイントを見逃してしまうのです。今回は、「家族のことを聴く」ことを中心に調査官がどのような考え方をするのか説明させていただきます。
1家族構成等について
まず、税務調査開始して、事業概要や帳簿の作成についてお尋ねをする場合が多いのですが、調査官は事業主さんの個人的なこと、ご家族の状況を確認をします。
①事業主さんの個人的なこと
まず下記のような、事業主さんの個人的なことを尋ねられます。
- 経歴
- 事業開始の経緯やその後の状況
- 事業主の趣味
- その他、特殊事情(お金の関係を中心に)
事業主さんの経歴というのは、もともとその事業を親がやっていたものを継いだものかまたは、その事業をやっていた会社に勤務していて独立したのか、などです。そのスタートの状況により、事業規模や資金の調達方法に影響がでてきます。
また、事業には関係のない個人的なもの、特に趣味などは事業主の方も「何で聞くのだろう」と思っているのではないでしょうか。これは、趣味によってはお金が結構かかるものがあります。趣味と言いつつギャンブルをやめられない方もいらっしゃいます。この「趣味」にお金がたくさん流れているケースもあり、確認をしておく項目のひとつと言えます。そのため、その趣味の話をどのように聞き出すか、調査官も家の中やいろんなところを見渡して、雑談の中からヒントを探しているものです。
事業主さんの生活費としての取り分と自分のお小遣いをいくら遣っているのか、これは全て、「事業所得」の中から捻出しているものと考えていますので、生活費とお小遣いの金額で事業所得が、おおむね推測できるものになるわけです。
②ご家族の特殊事情など
次は、事業主さんのご家族に目を向けて尋ねられます。
- 現在、一緒に同居している家族は何人か。
- 仕送りなど、経済的な援助をしている家族はいるのか。
- 子供の年齢により、大学進学、結婚などは控えていないか。
- 子供の習い事は何か。
- 親の面倒は見ているのか。
などなど、事業とは直接、関係ありませんがお金にまつわることは何から何まで質問をします。「生活費として、分けた後のことまでも聞くのか。」と言われることがありますが、生活費として月にこれだけ必要だという金額を12倍して年間の金額を計算したところ、所得金額を調整した金額※をはるかに上回る金額となっていることがあります。(所得金額に減価償却費や青色申告特別控除額などを加算した金額をいいます。)
そのうなると、「事業所得以外にお金が出てくるところがないのであれば、お金はどこから出てきたのでしょうか。」という調査官の質問が飛んでくることになります。さらに次の質問は、直接、この表現は使いませんが「売上金額をごまかしていませんか。」という趣旨のものになります。
昔の話ですが、お子さんへの学費や仕送りなどの捻出のため、売上金額を一生懸命伸ばしました。そうすると、利益も大幅に伸びてしまい、このままでは所得税をたくさん払わないといけない。迷った挙句、売上金額を調整しようとなり、つまり、売上計上せずに申告をする、売上除外をするケースが目立ちました。現在は、親の施設入所などが増えていますが・・・。
2 家族従業員について
個人事業の方は、ご家族が手伝いをしたり従業員として働いていらっしゃるところが多いですね。原則、ご家族への給料支払いは経費になりません。青色申告をしていて、一定の手順に従って支給した場合のみ特典として必要経費になります。
その、一定の手順のひとつに「毎月、支払う」というポイントがあります。(専従者給与といいますが、詳細については割愛させていただきます。)実際に、労働の対価としての金額であり、その支給を定期的に行う、つまり他人様に働いてもらったときと同様にしなければなりません。そのように支払いの事実などを確認するため、ご家族の方の通帳を確認したりすることは多々あります。また、経理を担当されている方には色々な質問をしてきます。特に、事業主も知らないところについて質問を多くしてきますのでご注意ください。
税務調査、特に所得税の調査については、事業所得が、ご家族の生活費と密着しているので事業所得の内容のある意味、反面的な確認として必要になる場合があります。と、私は昔、説明していましたが・・・。
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